ウボンで下世話な新発見
ムクダーハーンからバスに2時間少々乗ってタイ最東の県都、ウボン・ラーチャターニーへ移動。
ウボンのバスターミナルは市街から離れていて、市内への移動手段はソンテオかサムローかタクシー。タクシーと言ってもピックアップトラックだ。荷物があるし雨が降りそうだったので値段は高いがタクシーにする。駐車スペースに並んでいる車の中でも古い方のに案内されてがっかり。運ちゃんはオレのカバンを荷台に置く。雨降りそうなのに。
走っている途中で雨が降ってきた。荷物を車内へ入れてもらう。こんなこといちいち頼まないと気が付かないのか。その後走りながら「明日車をチャーターしないか」と誘われる。安めの料金を言われて心動いたが、こんな運ちゃんにこれ以上カネ払いたくない。
ホテルにチェックインして少し休んでから町へ出る。サムローを捕まえて行き先を伝え「60バーツ」と言われるのを「50で」と言うと、運ちゃんは承諾しながらも何やらつぶやいている。「10バーツがどうしたこうした」の後に「キーニャオ(ケチ)」という言葉が聞こえたので「ケチだから歩きます」と言い捨ててそのサムローを降り、少し歩いたところで別のサムローを拾う。
中にはいい人もいるのに概してタクシーの運ちゃんやサムロー引きにこんな人が多いのはやはり「階層」というものなのだろうか。タイ人の側からしてみればサムローやソンテオに一生乗らないで済む暮らしの人もいれば逆にドームで食事する機会なんか絶対に訪れない人もいるわけで、そのへんを横断的に見られる立場にいられるのは外国旅行ができる程度の経済力がある国に生まれてよかったってことです。
なんてことを考えながら歩いていたらゴーゴーバーを発見した。
ここで「恐らくイサーン唯一」などと書いたうかつを恥じる。何事も予断は禁物だ。これでは「××を知り尽くした」などと自称しているライターを馬鹿にする資格はない。
反省していたら夜になったのでゴーゴーバーに足を運んでみた。入口にいたお兄ちゃんが「えーとまだ従業員が来てませんが……どうぞどうぞ」と言う。店は二階で階段を上がると灯りが点いたまま。落花生の殻などが落ちている汚い店内が丸見えだ。「今エアコンつけますね、灯りも落とします。どうぞ座って下さい」と言われ、ソファに座る。中央にステージがあり、それを囲んでL字形にセットされたソファが10組ほど置かれている。ビールを注文すると大瓶が来て、念のため値段を確認すると150バーツだった。ナナプラザのゴーゴーバーがビール小瓶で130〜150バーツ取ることを思えば良心的なイナカ値段だ(でもここ読んでるよい子の皆さんは、知らないお店に入るときは念のため入店前に値段を確認しましょうね)。
飲んでいるウチに女性も出勤してきたらしく、ダンスが始まった。しかし他に客もなく、踊っている女性は一人。テーブルのすぐ脇にお兄さんが待機していて、グラスが半分ぐらい空くたびに氷を入れてビールをつぎ足してくれるので落ち着かない。横に座ったお姉さん(多分明るいところで見たらおばさん)に聞くと、この店は既にオープンして3〜4年経ているとのこと。また反省。まだまだ歩き足りない。
踊り子さんは何人もいるのにステージには一人ずつしか上がらないのがこの店の決まりだそうだ。ステージの隅にエアコンのリモコンが置きっぱなしになっていたり、ステージ脇のテレビで流れているどこかのサッカーを従業員が見ていたり、場末感は満点なのだがどうもいまひとつ盛り上がらない。
次の客が来たら帰ろうと思っていたのに誰も来ないので仕方なくお勘定を頼む。ビール大瓶一本と隣に座ったお姉さんのドリンクあわせて230バーツ。お勘定を挟む二つ折りのホルダーに1000バーツ札を挟んで渡すと、しばらくしてお釣りを持ってきた。ところがお釣りが500バーツ札1枚、100バーツ札1枚、50バーツ札1枚、20バーツ札2枚の合計690バーツで全然足りない。「あれー?」と思っているとホルダー内側のポケット状の部分に10バーツ硬貨が詰まっているのを発見した。場末でセコイことしてどうすんだよ!
10バーツ硬貨は全て回収し、20バーツ札一枚だけ置いて店を出る。多分もう行かないだろう。
飲み直すにも店を知らないので、ビールを買ってホテルへ戻る。去年と同じホテルに泊まったら、部屋まで同じだった。そしてやってることも同じ。

ビールが去年より安物になっているのは気にしないように


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